「ミルク」

ラジオでやっていたこの映画のCMのうたい文句が「実在した権利活動家の生涯を映画化・・」云々というものだった。
正確にこうだったか自信はないが、とにかく「ゲイ」とか「同性愛」という言葉が出てこなかったのは確か。これは広告効果を考慮したというより、お茶の間に流す映画のCMの文句としてはふさわしくない言葉だという判断だろうが、それってこの映画の趣旨にまったく反していないか?

1970年代にゲイであることを公表したうえでアメリカで初の公職についたハーヴェイ・ミルク。彼が暗殺されるまでの8年間を追った作品である。
まずミルクの暗殺が描かれ、そこへ向かってカウントダウンしていくような構成になっている。といっても重苦しい内容ではなく、ミルクが集まってきた仲間たちとゲイの公民権のために選挙活動をしていく様子はポジティブでアメリカの民主主義の教科書のよう。
逆に守旧派に属する人々の方はアクが強く描かれており、特にジョシュ・ブローリンが内なる狂気が募っていくさまを印象的に演じている。

主要キャストがほぼ全員ゲイというわけで、役者もそれぞれタイプを演じ分けている。ジェームズ・フランコなんかは仕草や言葉使いはストレートのひとと変わらない感じだ。
これでアカデミー主演男優賞を獲ったショーン・ペンは、「ああ実際にこういう人だったんだろうなぁ」と思わせる説得力を持った演技でミルクを演じている。
でもなぁ、映画の中でちょこっと本物のミルクの映像が出てくるのだ。ほんの短いもので音声も無いのだが、本人の魅力が充分伝わってくるもので、あれを見ちゃうとショーン・ペンの演技の作り込んだ感が、かえってはっきり見えてきちゃうので、あれは出さなかった方がよかったかも知れない。

電車でクロッキー、ちょっと前のもの。

Y1

Y2

| | コメント (134) | トラックバック (0)